July 11, 2006

2つの引退劇

前回エントリに書いたシンポジウム@下北沢に来てくださったみなさま。
本当にどうもありがとうございました。

何とかみなさまにも楽しんでもらえる内容になったのではないかとほっと安堵しておりますが、各パネリストと司会者は何より多くのものを得させてもらいましたよ。
といっても一週間も前のことなので、筆の早いエンテツ師匠は、もう既に何度も報告記事を書いてくださっている。僕なりのまとめは、またもう少し違った形で、時間をおいて書くことでしょう。


とまれ、この一週間はやたらにビッグニュースが多かったわけだけど、日本海のドンパチにはまるで疎く、とりあえず中国とのパイプが全切れになってしまった副作用という以上の感想が浮かんでこないので、まあありきたりに、やっぱりかなり心を波立たせてくれた2つの引退劇について、簡単に触れておこうかと。

中田さんのほうは、正直あんまり書きたくないんです。
なぜって、この人のプレイに心躍らされたことはあるけど、ナカタという形象が特に好きだったってことがないものでね。悪口書くというスタイルは未だに慣れず、消耗してしまうほうなので。(といってもclosedなSNSにはちょこっと吐き出しましたが)

ただ、せっかくこんな記事を見つけたので、貼っておく。

偉愚庵亭憮録:限りなく透明に近いサムライ・ブルー

このW杯が始まってから久々に見てみた小田嶋さんのコラムは、ちょっと横滑り感が強かったけど、この記事は、コメント欄でのやり取りまで含めて、なかなかいいところを突いているのではあるまいか。

「書きたくない」っていいながらも、それでも少しはこうやって吐き出したい気分になっちゃうのは、やっぱりナカタをめぐる言説空間が、僕ら世代(の特に男子)には、ここ10年間にわたってそれなりに大きなものだったから。ある意味、日本サッカーの歴史における中田英寿本人のプレイそのものよりも、ね。
サッカーにはあまり興味ないけれども、中田のことは好きだし、彼の言動を実によくフォローしてるファンっていうのが、結構いる。「日本のサッカーなんて見れないよ、代表にも興味ない」という人たちの中にも、「中田だけは別だけどね」という人が、これまた存外いる。ヨーロッパでの実績ということだけとっても、実はそれほど大きな格差のない小野や俊輔に関して、こういうことを言う人たちを見たことがないのと、とても対照的である。

で、そういう「コアなナカタファン」--中田のプレイが好き、というサッカーファンではなく--たちとは、あんまり気心や価値観が合ったという記憶がない。
なんというか、僕にとってナカタという人に対する人物評は、一種の安易なリトマス試験紙のように使えることがある。それはおそらく、「自己実現」とか「リスクテイク」とか「チャレンジ」とか、そういった現代日本の価値観を二分する最重要な対立軸の一極を象徴する位置に、ナカタという言説空間があるからだろう。
「ホリエモン」みたいな人も若干それに近かった部分もあるが、この人の複雑な経歴から来る価値判断はより錯綜しているので、とりあえずはサッカー選手という職業に特化していたナカタのほうが、クリアカットなリトマス試験紙に近い印象がある。

そういう意味では、上のコメント欄の下のほうにある「田舎から出てきた人が、すごくムリして大都会の最先端に合わせようとしていがんばっている姿に感じるようないたいたしさ」をナカタに感じるというシンプルな評が、一番ずばっと問題の核心にラストパスを送っているのかもしれない。
確かに僕は、ひたすらに武士になることを目指して粉骨砕身した多摩生まれの近藤・土方の「熱さ」より、その近藤を理解しつつも結局はついていけずに袂を分かつ江戸育ちの永倉新八の「粋がり」のほうに、共感するタイプの人間だ。ちょっとわかりにくい例えかもしれないが、ナカタ-村上龍ラインの、一見クールを装った個人主義的な上昇志向に、とてもマッチョで息苦しいものを感じてしまうということだろう。川口能活のわかりやすい体育会的な「暑苦しさ」以上に。

一般的には「クール」と受け止められるのだがその実ものすごく「マッチョ」なナカタ-村上龍ラインの世界観に、明らかに関係なさそうな人たちが憧れるている状況はあまり健全なものだとは思わないし、個人的には彼らの世界観が覆いつくさない隙間を探して生きていけたら嬉しいなぁ、と思う今日この頃。

さきのナカタの痛々しさを指摘した慧眼のコメンテータは、このように続ける。
「そんなにムリしなくていいのになあ、と思うけれど、ムリするところがすでに身にしみついてキャラになっているのでしょうね。」
ナカタは、サッカーというのはステップで、あくなき人生のトータルな上昇過程の中での取っ掛かりと考えていると、若い頃から匂わせていた(だからこそ、イメージ・コントロールを強力にかけ、「産業」を通じて自分をできるだけ大きく見せることに執心してきた彼が、最後に「素のサッカー愛」を持ってきても、ちょっと白々しさを感じたわけだが)。 
で、彼個人に関しては、サッカーというステップに関して、現状で可能な最高の形で幕引きをして、次のキャリアへと向かっていく「成功者」であり、そこに外部の人間が感じるのは、ある種の「いたいたしさ」やら「滑稽さ」やらに過ぎないのだけど、凡百の「ナカタに憧れている若者たち」はどうだろうか? 身の丈にあわない自分探しを繰り返しては、果てない自己実現を目指し、「ムリすることをキャラ」にしてまでプライドを肥大させていく層がマッシブに現われているとしたら、「いたいたしさ」や「滑稽さ」では済まない。

そう考えると、今回の一件で一番泣けてくるニュースは、所属事務所が例の引退メールを許可申請があれば転載・使用可ということにしたら、全国の学校教員から、「道徳の授業に使いたい・・・」というような問い合わせが200件ぐらいあったんだという話か。
このワイドショー向けのコメント自体営業のような気もするが、マジだとするとちょっとやばいよ、何かが。


して、もひとつの世界的なスターのほう。
あまりに予定調和すぎるできすぎたストーリーを自ら壊したのだと、したり顔で呟くには衝撃的過ぎる。
FIFA最優秀選手を3度も取った名手が、引退を公言して勝ち進んだW杯の決勝で、言い訳の聞かない暴力行為を犯して退場するなどという事態は、今後サッカーの歴史が1000年続いたとしても二度と起こらないだろう。

しかも、見知った顔のDFと、さっきまで笑顔交じりで談笑していたのが、何かの一言をきっかけに、突然きびすを返して頭突きをするとなると、いろいろな憶測がしばらくの間飛び交うのは避けられまい。

ジダン頭突きめぐり各国で憶測報道

ジダンはもちろん、こうした憶測に今後一切否定も肯定もしないだろう。もし事後に何らかのリアクションを取るぐらいなら、レッドカードが出された時点でもっと派手な抗議を行っているはずだ。
が、当のジダンは、この愚行が招来する、今後の自分が巻き込まれる報道やら商品価値の低下やらまで含むすべてを飲み込んで、静かに目を伏せてピッチを後にしたように見えた。

確かに激高の前科がない選手ではなかったが、あの特別な場で、すべてのカタストロフを理解している彼をしてなお、踵を返さしめた一言があるとすれば、それはやはり家族に関することか、人種に関することか、いずれにせよ彼の出自に関連する何かであっただろうという憶測が乱れ飛ぶのは自然なことだ。

その真実が明らかになる日は決して来ないだろうが、こうしてレイシズムに関わることが、こんなマイナスな形で話題になってしまったということ自体、現在のフランスの、いやヨーロッパの暗澹たる情勢に止めを刺してしまうようないやな感じがする。

先日参加した移民学会のシンポジウムでも、98年のW杯制覇によって、フランスは人種を越えた社会統合の夢を束の間見られたというのは、単なる俗説というわけでもなかったですよ、とフランスの移民政策を追いかけてきた専門家にも強調されていた。
しかし、その束の間の夢も醒めて郊外団地の「停戦」も終わり、昨年末には最悪の状況に陥ったのはご存知の通り。そして、雇用促進法をめぐるこの春のデモも、雇用の安定性を訴える若者たちと、そもそもそのスキームにも乗れない失業中の移民の若者たちたちとの間にある溝を、際立たせるものでしかなかった。

こんな情勢下で、98年の夢をもう一度見れる寸前まで到達しながらのジダン「事件」。
その愚行を行ったのがいかな英雄といえども、「やっぱりアラブ系の人たちは、キレやすいんだわ」「ああいう非理性的な(uncivilized)人たちと一緒に暮らすのは難しいねぇ」などという差異主義的な人種主義(バリバール)を、フランス中のパブやお茶の間で再確認させてしまった可能性は、否定できないだろう。
もちろん、そうした反応の可能性なども十分わかった上で、それでもなお、頭突きせずにはいられない何かの言葉が、そのときピッチ上で発せられたのだろうが。

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June 15, 2006

気持ち悪いほど無風。

だと思いませんか>グループリーグ一巡したワールドカップ。

ここまで、スコア差はともかく、意外と思われる結果は、スウェーデンvsトリニダードのドローだけ。
あとは、強国がらみの試合は特に、ことごとく鉄板の結果に落ち着いてます。

前回と比べてみるとその差は一目瞭然。
まず開幕戦から、ディフェンディング・チャンピオンのフランスが足元をすくわれ、一巡するまでにポルトガルもアメリカに打ち負けてます。
その後、フランスとアルゼンチンという当時の絶対の本命・対抗が決勝トーナメントに進めず、ベスト8に残った中には、韓国・アメリカ・セネガル・トルコなんて面々がいたことはご存知の通り。

ここ10年ぐらいの勢力地図で、サッカー大国10傑というと、まずは南米の2強。それとWC優勝経験国のドイツ、イタリア、フランス、イングランド。それに充実した国内リーグを持つスペイン、オランダ。あとはバロンドール経験者と数人の傑出したスターを擁するチェコ、ポルトガルあたりを加えて、まあ文句の出ないところだと思います。
(もちろんFIFAランキングとは何の関係もありません)

この10カ国どうしの対戦カードが実現したのは、前回WCでは実に、グループリーグでのアル-英、準々決勝でのブラ-英、それに決勝でのブラ-独のたった3カードだけだったんです。
こんな風に考えると、前回の大会の荒れっぷりがあらためてよくわかります。(開催国の盛り上がりを除けば、結果として「地味な大会」になった中で、イングランドがあれだけの注目を集めたのは、「夢のカード」に2回絡んで敗退したということも理由の一つでしょう)

そもそも今回は、地区予選からして無風です。
上記10傑はすべてドイツ大会にコマを進めていますが、02年はチェコ蘭が日韓にこれませんでした。98年も、それぞれの黄金世代が充実していたにもかかわらず、チェコ・ポルが来れていません。


今回のこの不自然なまでの無風ぶりには、なにか要因があるのでしょうか?

日韓大会の時の日記を見ると、こんなことを書いています。

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既に功なり名を遂げた名選手ばかりで構成されているので売り込みの必要がなく、いかなる意味でも「国」のために戦うという言辞が方便にさえならず、かつトップ選手の競演たる欧州CLで「俺たちのチーム」が活躍する可能性のあるチームを有する国民の代表チーム...
 具体的には、スペイン、イタリア、イングランド、ドイツ、フランスの5大リーグを抱える代表チームだが(イングランドと、恐らくドイツも当面大丈夫だろうが)、こうした「ヨーロッパの大国」では、ワールドカップに臨むモチベーションが、選手レベルでも「国民」レベルでも、著しく変容してゆくのではないか。その萌芽が今回のフランスに見られたような気がしてならない。
 ある意味、ヨーロッパの大国がこぞってスペイン化するというか。そのスペインが今回絶好調なのは、皮肉だが。

 そうなった時に、ワールドカップは、ヨーロッパの小国と、アフリカ・南米の新興国と、アジアの大会になっているだろう。イタリアやフランスやスペインは、B代表を送り込んでくるかもしれない。特に、ヨーロッパ以外の開催の時にはその傾向が強まるだろうから、もしかしたら、W杯は毎回ヨーロッパ開催ということで収まるのかもしれない。
 チケット問題に象徴されるFIFAの胡散臭さと機能不全は、このW杯という形式の終焉に手を貸しこそすれ、それを押しとどめる力とはならないだろう。
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確かに、今回はヨーロッパでの大会なので大国のモチベーションが高い、というのはあるかもしれません。

しかし、そればかりとも思われない。

思えば、2002年に始まったメジャー大会でのジャイアントキリングの連発という事態が、もっとも劇的な形で起こったのは、2004年のポルトガルでした。
アウトサイダーとしてこの大会に登場したギリシャは、開幕戦でホスト国を破ったのを皮切りに、フランス、チェコを破る快進撃、華やかなスターの饗宴を期待していた向きからの、堅守速攻一本やりでつまらないとの怨嗟の声をものともせずに、決勝でも再度ポルトガルを破って優勝します。

ちなみにこの年は、クラブレベルでも信じられないようなジャイアントキリングが続発します。
ヨーロッパCLの決勝は、ユナイテッドを蹴散らしたポルトと、チェルシーとレアルを粉砕したモナコとで戦われました。あまり知られていないですが、大西洋の向こうでは、オンセ・カルダスというコロンビアの無名のチームが、サンパウロFCやボカ・ジュニオルスという名だたる強豪に競り勝って、南米クラブ王座に輝いています。

サッカーというゲームは、番狂わせが起こりやすいスポーツです。ボールゲームで戦力差を反映するのは、「相手陣内に攻め込む回数」であって、結果としての「得点」ではありません。そのため、何度攻め込んでも、ちょっとした2トップの呼吸の乱れや、GKのスーパーセーブでゴールネットを揺らせなくなってしまうサッカー、「1点」が限りなく重いサッカーは、戦力の弱いチームが夢を持てる貧者のスポーツなのです。だからこそ、「ロジカルの勝負が決まらない」サッカーを、アメリカ人は見ていられないのだ、と言われています。(対照的なのが得点数の多いバスケットボールです。)

それにしても、02年に始まり、04年に頂点を極める荒れっぷりは、偶然と言うには、あまりに重なりすぎている感がある。

その流れが今回、とりあえずこれまでのところ、ぱったりと消えているように見えます。
(そういえば、今年は欧州CLも、概ね周囲の期待どおりに、実力を伴ったビッグクラブが勝ち進んで行ってましたね)

この差は何なのでしょう?
落ちのない話なのですが、よくわかりません。

コンディショニング調整術の進歩か?
はたまた、巷間言われているように、戦術重視が行くとこまで行き着き、「天才の時代」が再び戻ってきたのか?

はきとしたことは現時点ではわかりませんが、このポイントに注目しながら、今年のWCは見てみることにします。

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June 11, 2006

オランダ×ユーゴスラビア

前半終了。
この試合、かなり面白い!
地上波では、やっぱりNHKが落ち着いて見れる、というのも大きいけど。

オランダといえば、ビッグゲームで年がら年中チェコとやってるイメージだけど、この組み合わせもそういや時々見ますね。
でも今回は、クライファートがはっちゃけてた2000年のときのような一方的な展開でなく、98年のときのような一進一退のナイスゲーム。

その中で、ロッベン、鮮烈です。
個人的には、タッチ数の少ないシンプルなカウンター攻撃が大好きなので、ああいうのツボです。
そのあとも、もう気分よくノリノリという感じ。しかし、大会序盤からこのペースというのは、やはり最後までは続かないよな・・・

SCG(セルビア・ツェルナゴーラの略ですよ)のキャプテンマーク巻いてるミロシェビッチ、僕がバーミンガムに行くちょっと前の時期アストンヴィラに所属していたんですが、スペインでの本格化を経てベテランになった今、その頃のソツのありすぎる彼とは全然違いますね。
どうでもいいけど、天寿を全うした元独裁者と同姓の彼、バーミンガムではMis-a-lot-bitchと呼ばれていました。イングランド・ジョークはあんまり笑えない僕ですが、このゴロはわりとくすっとした記憶があります。

それにしても、この試合で一番目を引くのは、ファン・バステン監督の見事な腕の筋肉です(笑)

さてさて、そろそろ後半ですね。

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June 10, 2006

一応やっておきますか。

いつの間にやら始まったワールドカップも今日で2日目、イングランドのお披露目が1時間後というタイミングだけど、一応やっておきます。
自分のためのメモとして。

ちなみに、結構僕の優勝予想ってあたるんすよ。
1994年ブラジル、98年フランス、00年フランス、02年ブラジル、すべて当ててます。
98年以前は友人とのホニャララで、それ以降はウィリアムヒルさんで、毎回結構儲けさせてもらってます。

98年も02年も、かなりのオッズでしたよ。開幕前を思い出せば、お分かりですよね?
00年のユーロは鉄板でしたけど。(それにしても、00年のフランスは、僕が目にしたすべてのフットボールチームの中でも、最強だったと思う。00年のレアルよりも、いまのバルサよりも。)

04年のギリシャ? そんなのあたるわけないじゃん!
(ちなみにこの年の予想は難問で、チェコとオランダの2点張りでした)

で、今大会ですが。
なんていうか、それほど盛り上がりませんよね・・・
って話を、ブラジル人ともオランダ人ともしてる。なんつーか、ブラジル以外にこれ!っていうチームがないんですよ。フットボール噺友達のAngeloさんも、「今回はドイツにいけないけど、悔しくないんだよね。うーん、ぶっちゃけ今回ちょっとつまんなくね?」とゆってました。
僕自身が、あらゆるレベルでのサッカーを、4年前のように真剣に見ていないというのを差し引くにしても、確かにそうなのかも。

だって、ウィリアムヒルさんでも、ドイツが3番目に低いオッズなんですよ!
皆さんご存知の、あの鈍重なディフェンスラインを抱える老大国が、おそらくはただ「開催国」というだけで。
この事実ひとつとっても、ブラジル以外にこれというチームがない、という今回の大勢は推して知るべし、かと。

じゃあ、文句なしにブラジルかというと。
これまた何の根拠もなく、「消し!」のような気が。なぜなら、「強い強いといわれた年のブラジルは、観客を魅了しつつも、結局はどこかで足をすくわれる。本命視されてないときほど、しぶとく優勝する」。
82年の黄金の中盤はイタリアに、絶頂期のロナウドを擁した98年は決勝でフランスに。対して、絶対の優勝候補不在だった94年、そして南米予選であれだけ苦戦した02年は、しっかりと優勝してます。
これって、ただのジンクスとも思えないんですけどね。

しかしここで、このブラジルを決勝もしくは準決勝で破れそうなチームを、となるとこれがまた難しい。

なので、消去法で行きます。

まずC組のチームは残念ながら、消しです。
この組のきつさは、前々回(スペイン、ナイジェリア、パラグアイ、ブルガリア)の比ではなく、前回(アルゼンチン、ナイジェリア、イングランド、スウェーデン)以上でさえあります。
前回と比べると、コートジボアール>ナイジェリアは確実だし、セルビア・モンテネグロの守備の堅さは半端ではない。言うまでもなく、アルゼンチン・オランダといえども、1試合たりとも気が抜けない。

とはいえ、アルゼンチンとオランダがこのグループを突破できないとは思っていません。
特に、アルゼンチンは、前回の教訓もあり、堅実に1次リーグを突破する準備をしてくるでしょう。

しかしむしろ、それこそがこの2チームのボトルネックになるわけです。
1ヶ月以上の長丁場、しかも1シーズンの終わった後の付録みたいな時期に、トップフォームを維持し続けるのは基本的には不可能。そのため、この種の大会で最も重要なのは、個々人の技量だの戦術だのではなくて、コンディショニングなのです。
だから、優勝を狙うチームは、基本的にグループリーグは調整のテストマッチぐらいのつもりで入って、決勝トーナメントに入ってからエンジンをかける。

オランダとアルゼンチンは、残念ながらそういう調整を今回できない。特に、アルゼンチンは、絶対にそれを「意図的に放棄せざるを得ない」。
これは巨大なハンディキャップですよ。
一つの方法論としては、主力組は決勝を睨んだ調整をしつつ、思い切ってグループリーグは控えメンバーを多用して戦い、主力の体力温存と競争マインドの刺激に持っていく、というのはあるにはあります。特に、アイマールやフリオ・クルスがベンチを暖めているアルゼンチンは、それが十分可能なはずです。でも、それで「万が一」が起こったときの国内DQS(含、マラドーナ)の噴き上がりを考えると、そういう博打は打てないだろうなぁ、ペケルマン・・・
オランダに関しては、今回はそこまでの選手層がないと思われるので、やりたくてもそれはできない。シードルフやダービッツ、マカーイやクライファートを外してチームの和を重視したファンバステンにとっては、納得づくのことだろうが。

というわけで、この2チームは消しだ。

では、イタリアか?
確かにフォワード陣はかつてなく充実。トニ・ジラルディーノの2トップだけでなく、大舞台に強いピッポが、今シーズン後半絶好調なのも、大変心強い。ディフェンスは言わずもがなだし、ピルロの仕切る中盤も、手堅い。
ただ、あれはどうなのよ? 八百長疑惑の顛末は。
確かに、監督を含むユベントス関係者がこれで代表を外れるという最悪の事態はなくなったものの、こんなことがあって、チームの結束は大丈夫なのか? 八百長でスクデットを獲ったかもしれない守護神を後ろに据えて、心置きなくブラジルに立ち向かえるのか? 
正直この問題は、そこまでフォローしてないのでわかんないっす。イタリアに関しては、この問題がどう出るのか、あるいは全然関係しないのか(そういや、82年の優勝のときも、直前にこんな揉め事があったらしいっすね)、というピッチ外の要素が、かなり重要な鍵を握る気がします。
というわけで、△としか印をつけようがない。

イタリアと同組のチェコ。
組み合わせは厳しいですが、正直ここ数年強豪国の中では一番応援しているチームです。どうでもいいですが、バーチャストライカー4でもメインチームです。
コラーの復帰は本物のようだし、各ポジションにタレントはいます。ただ、当然ながら選手層は薄い。ネドヴェド、ロシツキー、ガラセク、ヤンクロあたりと、控え組との差は如何ともしがたいものがあります。
しかも、レギュラー組の大半が30代。勤続疲労が心配なお年頃ですね。というわけで、このチームの浮沈は、レギュラー組がきちんと試合に出続けられるかどうか、にかかっているといえましょうか。
4年前にこのワールドカップに出れたら、◎打ってもよかったのに!

スペイン。
うーん、ここ数年スペイン代表の試合って見た記憶がないのだが、なんかあんまりピンと来ないっすね。
ラウルがダメ。代わりのフォワードはいる。いるにはいるが・・・というイメージ。
中盤センターと、プジョルが生命線なのはわかるけど。
というか、これまでも期待をされ続けて、神業のようなラウルのボディバランスや、はちきれたメンディエタの突進や、イエロのカリスマを擁してさえも期待を裏切り続けてきたスペインが、このパッとしない布陣で勝てるとはどうしても思えないんですよ。確かに組み合わせは、かなりオイシイですけどね。

ああ、ちょっと疲れてきた。

ポルトガル。案外いいかも知らんけど、ブラジルに勝つのは、こういうちょっとキャラがかぶるチームではないでしょう。
メキシコ、アメリカ。準決勝まで行く力はあるけど、そのあたりでプレッシャーに押しつぶされるとみた。
フランス。お年寄りは、ゆっくりお休み下さい。アンリはアーセナルでがんばって。
どいつ? どこのどいつ? シラネェナー

というと残るのは・・・
イングランドかな? 確かに、トップフォームには程遠い2人と、ウドの大木と、プレミアデビューもしてないガキしかいないフォワード陣では、得点力不足には泣かされると思うけど。(しかしなんで、マーカス・ベントとかジャーメイン・デフォーとか、ビーティとか呼んどかなかったんだろう? エリクソンって、ラツィオの監督のときはこんなギャンブルちっくな極端なチョイスをする人じゃなかったんだが、6年もタブロイドに晒されると、こういうことしだすのか?)
しかし、腐ってもベッカム、ランパード、ジェラード。この3人+ジョー・コールで構成される中盤だけは、ブラジルとも張ると思う。
というか、これで優勝できなかったら、イングランドは向こう50年は優勝できない気がする。

というわけで、根拠レスながら◎をブラジルに打たないという前提での予想です。

◎イングランド
○チェコ
×ブラジル
△イタリア

1ヵ月後に嗤ってください・・・

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March 31, 2005

やや鬱×2

昨日の結果に関しては、何も言うことはないっす。

で、今後のことをぶつくさ呟いてみると。
中田はボランチで機能するのはある程度分かっていたわけだが、小野が復帰してどうするつもりだろうか。せっかくウェールズで調子を上げてきた稲本は、今後は代表に呼ばれつつ飼い殺しにされるのだろうか。やっぱりトップ下を中田とスンスケで争って、最後はどっちかが構想から外れるんだろうか。どうやらW山田を呼び戻す気もないバックアップのいない右サイドに、中田か小野を試すつもりはないんだろうか。アツはやっぱり右はできないんだろうか。

と、こうきて、4年前とまったく進歩のないことを堂堂巡りしてることに気づいて、やや鬱。
波戸→加地、戸田→福西に代わって、左にアレが固定されただけで、何一つチーム事情が変わってないじゃんか。


北朝鮮で「暴動」が起きたというのも感慨深い。
というか、全体主義国家が垣間見せた人間味に、やや嬉しくなるニュースではあった。

その発端となったロスタイムでのへタクソな「転び」は、師匠なら確実に一仕事=PKゲットってところだったろう。あのヘタクソさ加減が、巷間言う国際経験のなさというところなんだろうね。

もっとも、あの「暴動」のおかげで、6月の平壌での試合が第三国になるかもっていうのは、これまたやや鬱だな。
何が鬱って、おそらく代替地は北京かソウルのどちらかだろうけど、そこが実質アウェイになることを考えると、その画見せ付けられるのって、やっぱりヘコむじゃないっスか。
「日本って、東アジアで北朝鮮より嫌われてるんだ」っていう事実が否定できない形で突きつけられたら、結構動揺するナイーブな人も、まだまだこの国には多いと思うよ。その動揺は、すごい勢いで変なところに回収されるだろうしなぁ。

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March 29, 2005

師匠復活

鈴木隆行という世界的に見ても極めて稀なDFWは、このところ「師匠」と呼ばれているらしい。

師匠・鈴木隆行

師匠・鈴木隆行 その2

久しぶりに大笑いして、ややあってから、自分もこんな生き延び方を探さねばらぬと思った。

リンク先、必見!

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October 24, 2004

チョットゲンキニナッテミル

この展開、ちょっとおもろいね。

なんて、自分のブログの存在すらも忘れていた照れ隠しに、唐突に始めてみるテスト。

昨日は、鹿島磐田二強時代なぞというものが完全に過去のものになったことを思い知らされる、カシマスタジアムでの凄まじいレッズのアタッキング・サッカーに酔いしれました。
(レッズに関しては、ブッフバルトからの長い展開に岡野、福永が走りこむ、そして福田がーっ、ていう時代から、小野・ベギリスタイン・サリナスという時期を経て、ずーっとやりたかったのはこの縦に速いサッカーだったんだろうけどね。その宿願が、エメルソンと達也のみならず、全ポジションにタレントを揃えられるようになって、ようやく実現できるようになったということなんだろうけど、二部に落ちようが親会社がヘマをしようが、最終的にここに戻ればいいという「伝統」のチーム戦術を捨てずに強化を続けられたことが実を結んだんでしょう。素晴らしいことです)

んで、達也のインタビューをほのぼの聞いてたら、画面に一瞬挿入された、アントラーズ選手がゴールネットに押し付けられて鹿サポにボコられてる衝撃映像!
え、え、ナニナニ、って思ってる間に、今度は地震! 衝撃映像のフォローなど一切なく、NHKは地震特番に突入してしまったので、仕方なく2chサカ板を覗くも「人大杉」。わかったのは、ボコられてたのは本田だったという事実だけでした。

事件としては、35にもなってビールの缶スタンドに投げ返すかよという話でもあり、まあそこで投げ返してこそ、ビスマルクをねちっこくマークして初期Jリーグの名シーンを演出した負けん気の強い本田泰人の面目躍如というところでもあり、というところなんだが。

しかしまあ、こんなヨーロッパでもそうそうお目にかかれないシーンがねぇ。ここはアルゼンチンか、っていうような熱さを醸し出すなんて、あらためてすげぇな、Jリーグ。まあ、レッズvsアントラーズという因縁やら、元ヤンが多数を占めると評判のアントラーズ応援団の某中核組織などの影響もあるだろうけれど、それにしてもすごいです。

2週間前にも書いたことだけれど、「失われた10年」と言われたポストバブルの時代に、これほど全く新しく、かつ影響力が大きいシステムを立ち上げて、かつ短時間で成功させた例は他にないのではないだろうか。
Jリーグ創設期に学部生だった僕の周りには、わけ知り顔で「プロサッカーなんて、所詮博報堂の仕掛けだからね」なんて言っていた東大生どもが多かったけど、ホントやつらはアホだ。しかし、その後皮肉にも初めてW杯に出場するのと同時にフリューゲルス吸収合併という憂き目を見た時代には、その8年後にイギリス人ジャーナリストにこんなことを言わしめるようなシステムが根付いてるとは、僕も想像だにできなかった。

(ちなみに上記リンク中に出てくる浦和レッズのアルパイ・オザランは、僕がバーミンガムにいる頃にアストン・ヴィラに移籍してきて、トルコ代表守りの要として日韓W杯でも大活躍するも、その後代表戦でのベッカムへの暴言騒動を理由にヴィラから理不尽にも解雇され、その後韓国を経て埼玉に流れ着いたストッパーです。まだトルコ代表には復帰してないみたいだけど・・・)

本当に、ここ最近のJリーグを見ると、元気になれる。
キチガイじみた信念を持った人間たちの情熱が、それを単なる短期的な商売の種にしようとした輩の思惑に振り回されながらも、それに踊らされることなく、結局は大きな構造を変えうるシステムを構築してしまうなんて。
この社会には、まだまだやれることは、ポテンシャルはあるよ、八方塞だなんてただの言い訳だ。最近のビッグスワンやカシマスタジアムの光景は、そう思わせてくれます。

まあ、そんなことを評論家的に書いてる暇があるんなら、降格争い真っ只中の柏スタジアムに足を運べ、って感じなんだけどな。


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August 08, 2004

いやー強かった

昨日は見ました。粘り強くなったねー、日本代表も。
放任型の上司を持った組織の典型やね。ホント強いチームだと思います。

あんまり嬉しいので、バーミンガム時代のギリシャ人の友達(いま彼は、母国に帰って遅まきながらの徴兵をこなしている)に、「今度はお前が俺をcelebrateする番だ」というメールを書いてしまった(笑)

しかし・・・
あの雰囲気にあてられて、中国の監督は自らも舞い上がってしまったようで、表彰式に欠席(笑) まあ、2点目は限りなくハンドっぽいから、気持ちはわからなくもないが。
というか、立場が逆なら、はるか昔のヴェルディ戦で、ペナルティ・スポットに置かれたボールに唾を吐いた前科のあるわが指揮官も、同じ行動をしていただろうけどね(藁)

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August 06, 2004

明後日は見たいなぁ

フラストレーションのたまる開幕のオマーン戦しかまともに見れていないのでね。
バーレーン戦なんて、最高のエンターテイメントだったらしいのに。

しかしまあ、冷静に考えて、日本はよく勝ちあがれてると思いますよ。
ジーコの考えてるっぽい不動のレギュラーからすると、久保・高原・ヒデ・小野・稲本・坪井と6人欠け。過酷な気候。過酷なスタジアム。そして何の戦略もないと思しき無為自然采配
これだけの悪条件が揃いながら、タフになりましたよね、日本代表も。

ユーロでは、決勝でホームのポルトガルに挑戦し、勝ってしまったのは、フランスでもイタリアでもスペインでもチェコでもオランダでもなくイングランドでもなく、あろうことがギリシャだったわけですが、アジアカップでは、サウジ・韓国・イラン・クウェートといった強国が姿を消す中、日本がきっちりと勝ちあがってきた。
アジアとヨーロッパで全体的なレベルの差があるのは当然にしても、それぞれのエリアでの、強豪国と中堅国の差が確実に縮まっている(これは、南米やアフリカでも同傾向だよね)まさに「グローバル化状況」のなか、これだけの逆風に揉まれてなお、危なかろうがハラハラしようがきっちり勝ち上がるっていうのは、大したものですよ。

僕が知ってる日本代表の中で、いま一番すげぇチームのような気がするぞ。
もしかして、実物を見てないから、言ってるんだろうか(苦笑) それだといやだなー

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June 17, 2004

おっきいからキライ?

というのは、うちの娘の口癖である。
「なんでキライなの?」と聞かれて答えに窮すると、ぜんぶ「おっきいもの」とカテゴライズしてしまう。大好きなママはいつも「ちっちゃい」のだけど、キャンキャン吠える親戚の家のミニチュアダックスは「おっきいからキライ」。ちなみにパパは、虫の居所によっておっきくなったりおっきくなくなったりする。

で、彼女は最近テレビ・ニュースに出てくる単語に興味を示して、「きたちょーせん、どこ?」とか、「こーしゅみさん、どこいるの?」とかマセたことを聞いてくることがあるのだけど、「アメリカの王様はおっきいからキライ」という評価に落ち着いたらしい(笑) きわめてシンプルに合ってるような気がする。

そんななか僕は、どうしても家に増えてゆくディズニーグッズを前に、「ミッキーさん悪い子」というネタを懸命に吹き込もうとしてきたのだけど、それは常にカミさんに見つかると怒られることの一つ。
業を煮やしたカミサンはと妹は、娘をディズニーシーに連れ出した。当然の結果としてディズニーシーに大興奮した娘が、「ミッキーさん、悪いコないよ、いいコよぉ!」と僕に楯突くようになったのが約一ヶ月前。

しかし、その翌日にどんぴしゃのニュースが流れたんだな~、これが。ディズニー社に配給を止められていた「華氏911」のカンヌ受賞。これ幸いとばかりにパパの反攻。
「すっちゃんは、アメリカの王様はおっきいからキライでしょ」「うん」「あのヒゲのオジサンは、アメリカの王様は悪い子だってみんなに教えてあげようとしたら、ミッキーさんにいじめられちゃったの」「なんで、いじめられちゃったの?」「アメリカの王様と、ミッキーさんはすっごい仲良しなの」「なんで?」「ミッキーさんも悪い子だからだよ」「わかった」・・・

かくして娘はまたまた、ミッキーさんがいい子なのか悪い子なのかわからなくなってしまいました・・・というのはネタなのであまりマジに受け取らないで欲しいけど、大筋では結構深刻な寓話にもなっている、かな?

個人的には、ディズニーランドはあまり好きではない。だが、巨大資本の作り出すスペクタクルの幼児性を頭の中では揶揄しながらも、いざそれが眼前で展開され始めると、その圧倒的な快楽に酔いしれてしまう、という身体反応は非常によくわかる。

ディズニー社の着ぐるみやショーには僕の身体は反応しないけれども(単純に好きではないだけだろう)、ユーロ2004真っ最中のいま盛んに放映されているこんなものには僕の身体はきわめてナチュラルに反応し、幼児のようにキャッキャッと言ってしまう。

90年代中頃から展開されていたナイキの「超豪華スター競演CM」の系譜に、程なくアディダスが挑みだしてもう数年たつ。当初こそ、豪華なのは顔ぶれだけで二番煎じ的印象の強かったアディダスのCMだが、2002W杯のあたりからは、映像センスもナイキと互角になってきたんじゃないだろうか? 日韓W杯の"Fever Nova"キャンペーンでのジダンやバルデスが出るCMもよかったし、トルシエが出てる国内バージョンも最高だった。今回の"Road to Lisbon"も、とってもラフな作りで、心地いい。

ただ、いかにナチュラルにラフに作っていようが、このCMは、ナイキvsアディダスという、世界のフットボール・シーンを最終的なところで左右している(ex.フランスW杯決勝でのナイキによるロナウド出場強制疑惑!)とも言われる巨大企業間のグロテスクな縄張り争いの最前線でもある。
そのグロテスクさの一端は、出てくるスター選手たちの出で立ちを見ると一目瞭然だ。アディダスのユニを採用しているドイツ勢やフランス勢、スペイン勢が、代表ユニに身を包んでリスボンを目指すのに対し、ベッカム様やランパードらのイングランド勢、プーマの宣伝に起用されているイタリア代表の一員でもあるデルピエロ、ナイキ帝国の一角でもあるオランダのマカーイやポルトガルのルイ・コスタは、三本線のついた練習用のジャージや、無地のTシャツを着て、リスボン行きのスクーターに跨っている。
ちなみに、このCMにも登場するドイツ・フランス・スペインの「欧州アディダス三強」をはじめとした代表チーム、レアルやミランからアルビレックス、FC東京に至るクラブの双方において、アディダスにユニを提供されているチームが揃いも揃って、アディダス伝統の3本線を律儀に肩口やパンツに目立たせるデザインに変えてきたのも、そう遠い昔のことじゃないようなきがするんだけど、いかがだろうか? それに対抗したのか、ナイキも、例のマークだけでは飽き足らず、ブラジル、ポルトガル、オランダ、と次々に超目立つ②⑥みたいなマルで囲んだナンバーをフィーチャーし、ますます自社ブランドをアピールしているし。

もちろん、ナイキだのアディダスだのの巨大資本のグロテスクさを強調することで、彼らがいじくり回さなきゃフットボールももっと幸福なスポーツに戻れるのに、なんて素朴かつレトロスペクティブなことを言うつもりはない。それに何よりも、アディダスもナイキもなければ、"Road to Lisbon"や"Scorpion"みたいな「豪華」なCMに酔いしれることさえできなかったということは、忘れてはならない。

ただ、巨大資本の作り出すスペクタクルは、身体にきわめて強い浸透力を持つ快楽を作り出し、自分も含めた大部分の人間は本当にそういうものに弱い、ということだけは、ある種の気持ち悪さの感覚とともに自覚しておきたい。と、ただそれだけのことでしかないんだけど。
何のかんのいいながら、「地元に密着した」柏レイソルの試合を見るよりも、「巨大資本がショーアップした」ユーロ2004でのスペクタクルに数倍の快楽を見出してしまう、素直な自分の身体。もちろん、こんな二項対立もそれほど意味のあるものではないのだけれども、やっぱりふとこんなことをナイーブに考えてしまう。

そんな自分には、近鉄ファンに偽善的な同情を向け、ナベツネに憤る資格もないのかしらん。

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