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January 29, 2007

[宣伝!]ワークショップ 「雇用流動化を生きる―労働・場所・アート―」

新年一発目のワークショップ企画☆

今回もまた、盟友・原口君と知恵を絞りました。寄せ場とワーキングプア、そしてアートの運動を繋ぐハードな内容。
前回のエントリに紹介したとおり、長居公園が風雲急を告げる中、あまりといえばあまりにもタイムリーな企画となってしまいました。原口君・櫻田さんには、緊急事態の中、大阪から上京してもらうことになります。

「貧しい(貧しくなる)ことを認めた」うえで、楽しく、そして人間らしく生き抜くスキルと空間がますます必要になる昨今、こうした議論は絶対に必要だと思います。
大阪の寄せ場(釜ヶ崎)の濃ゆい議論を、現代の若者一般が抱える問題に繋げる役回りとして、POSSE代表、今野君がコメンテーターに来てくれるのも期待大です。

これまたあまりにもタイムリーに、昨日1月28日には、NNNドキュメント'07枠で関連話題「ネットカフェ難民 漂流する貧困者たち」がありました。
昨日見ましたが・・・わかっていたこととはいえ、不覚にも涙ぐんでしまった。この手のものを見るといつもそうなのだが、「わが国」のあまりの構造的な「貧しさ」に。

(このドキュメンタリーは、2月3日深夜にCSで再放送があるようですので、見れる方は、このワークショップのあとで、あらためて見直してみるというのもいいかもしれません。)

今回は決してアカデミズム色の強いワークショップにはならないと思いますので、ご関心のある幅広い皆様のご参加を、お待ちしております。

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ワークショップ 「雇用流動化を生きる―労働・場所・アート―」
◇日時:2月3日(土) 15: 30~
◇場所:神奈川大学横浜キャンパス 20号館201
 最寄り駅(東急東横線白楽徒歩13分、または横浜駅からバス)
 ※会場へのアクセス詳細はこちら→〈http://www.kanagawa-u.ac.jp/02/accessmap/index.html〉

[企画趣旨]
雇用情勢の流動化が言われる昨今、都市に生きる「都市下層労働者」の姿が、急速に像を結びにくくなってきている。携帯電話のネットワークに溶解し、ネットカフェに拡散する寄せ場。こうした状況の中、寄せ場という空間は何だったのかを再考し、ポスト・フォーディズム期における「つながり」や「場所」の再構築の可能性を検討する作業が急務であろう。今回は、長年釜ヶ崎や大阪市内の公園の野宿者の問題に実践的に関わって、刺激的な空間論を発表し続けてきた原口剛氏(地理学)と、メディア/アート系のNPO[remo]に関与しながら、プレカリアートに関する論考を発表してきた櫻田和也氏(都市政策)という気鋭のお二人を関西より招き、釜ヶ崎という空間の「場所性」を歴史的に検証するとともに、アートが持つ「場所」を切り開く力の可能性と限界について議論する。さらに、コメンテーターとしては、非正規労働の若者たちを繋ぐ政治/文化運動として大きな注目を集めつつあるPOSSE代表の今野晴貴氏を迎えた。極めて現代的な課題に、これまで試みられてこなかった関連領域の気鋭の論者の顔合わせで迫るこのワークショップ、理論と実践を切り結ぶ刺激的な議論が大いに期待される!

◇報告①:原口剛さん (大阪市立大学大学院・同大学都市研究プラザ・リサーチアシスタント)
 「フォーディズム-ケインズ主義体制下における日雇労働市場の編成と労働運動の動態――大阪・「釜ヶ崎」を事例として――」
◇報告②:櫻田和也さん (大阪市立大学大学院、NPO法人・記録と表現とメディアのための組織 [remo]
 「ポスト・フォーディズム-シュンペーター主義的ワークフェア時代の失業運動とアート」

ディスカッサント:今野晴貴さん (POSSE代表
 
  司会:五十嵐泰正さん (学術振興会〔一橋大学〕)
Cultural Studies Forum(CSF)・神奈川大学人文学会・共催

◇報告者の御二人について
★原口剛さん
 大阪市立大学文学研究科後期博士課程 / 大阪市立大学都市研究プラザ・リサーチアシスタント

【関連著作】
・「集客都市の暴力」『VOL 01』, 2006, p152~p158.
・「公共空間の変容―ジェントリフィケーションから報復の都市へ」『現代思想』33(5), 2005, p142~p155.
・「「寄せ場」の生産過程における場所の構築と制度的実践―大阪・「釜ヶ崎」を事例として」『人文地理』55(2), 2003, p17~p27.

★櫻田和也さん
 大阪市立大学創造都市研究科後期博士課程 / NPO法人 記録と表現とメディアのための組織[remo] 技術係
  
【関連著作】
・「失業のメーデー」(2006:修士論文)
・「プレカリアート共謀ノート」 『インパクション』151号(2006.4:インパクト出版会)
 「労働としての芸術」(2007:予定)
・鼎談(×金友子×小野俊彦):「場所を生み出す」 『インパクション』153号(2006.8:インパク ト出版会)

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January 27, 2007

大阪市・長居公園テント村に対する行政代執行に関する研究者声明

ちょっとブログとの付き合い方を忘れ(or迷って)、またまた疎遠になっております。
(実は記事書きかけでやめてたりとか、結構あるんだよね)

とりあえず近況を知りたい方は、mixiで五十嵐泰正を検索してみてください。

ちょっと告知したいことが何件かありますので、しばらくこのブログは告知用に使います。

まずは、盟友・原口君から回ってきたこれ。

いろいろ意見があるとは思う。
もちろん、全面的に野宿の要求を通せばそれでカタがつく問題ではない。

しかし、このブログで去年ずっと問題にしてきた、社会関係資本がやせ細り、「貧しくとも暮らせる」空間を失った現代の私たちが抱える「脆弱性」を考えるとき、これはまったくヒトゴトではない。
そこに一片の想像力があるのなら、すべての交渉を断ち切り、信頼関係や社会関係の萌芽(長居公園の野宿者と近隣住民には、路地野菜販売などを通じた交流が生まれ始めていた)を根こそぎ破壊するようなやり方は、いつ自分にふりかかるやも知れない暴力にみえて、やはり怖い。

長居をはじめとしたブルーテントに溢れる公共空間が、このままでは本当にどうしようもないというのなら、どうしなきゃいけないのかは、これからじっくりと話し合っていかなきゃいけないし、みなさんも、この辺をじっくり読みつつ、考えたらいいと思う。
ホームレス問題について知るためのWikiプロジェクト(仮)
長居公園テント村住人による大阪市に対する弁明書

全然違う立場から上野公園にも縁がある自分としては、ここまではちょっとなーというところは、たくさんある。
でも、そのそもそもの交渉の場を壊して、単なる「臭いものに蓋」を暴力的な形でするに過ぎない強制執行という短絡的な手段と、それが当たり前だと受け取める社会は、やはり怖い。


コトは急を要します。

以下、転載・リンク等歓迎です。

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「大阪市・長居公園テント村に対する行政代執行に関する研究者声明」への賛同のお願い(とりわけ研究者の皆様方へ)

私たち若手研究者は、このたび執り行われようとしている長居公園テント村に対する強制撤去に対し、以下のような声明文を提案いたしました。私たちといたしましては、野宿問題にかかわっておられる研究者の方々のみならず、さまざまな研究分野でご活躍され、この問題に関心を寄せておられる方々にもご賛同をいただければと願っております。賛同していただける方は、以下の手続きで賛同の旨、送信していただければ幸いです。なにとぞよろしくお願い申し上げます。

ウェブサイトから「わたしも賛同する」
http://rootless.org/nagai/

あるいはメールで指定のアドレス(nagai@rootless.org)
に、以下の内容をご記入のうえ、送信してください。
1)お名前(ふりがな)【必須】
2)所属等【必須】
3)メッセージ【よろしければお書きください】

*なお、声明書はお書きいただいた賛同書とともになんらかのかたちで大阪市に提出し、またウェブやビラ、マスメディアなど、機会がありましたらさまざまな媒体に公表していく予定です。その際にはご記入いただいたお名前・所属等・メッセージが公表される可能性がありますが(メールアドレスは決して公表いたしません)、この点、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
*可能性としてはきわめて低いのですが、最速の場合、強制撤去が30日に執り行われる可能性も残っています。これらの事情を鑑み、賛同者集めの第一次締切は1月29日までとさせていただきます。ただ、現時点では行政代執行がいつ執り行われるのかが不明という事情もあり(2月にずれこむという可能性が大です)、第一次締切以降でも送信していただければその都度反映していきたいと考えております。
*強制撤去の日にちがいまだ不明であるため、大阪市への提出のタイミングは、当方で判断させていただきたいと思っております。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

関西若手研究者有志一同

以下、声明文です。
===============
大阪市・長居公園テント村に対する行政代執行に関する研究者声明
関西若手研究者有志

 2002年に施行された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(自立支援法)にもとづき、野宿生活者の自立へと向けた政策は本格化しました。大阪市においては、1994年から「あいりん高齢日雇労働者特別就労事業」が開始されるなど、すでに自立支援法成立以前から、野宿生活者の就労や居住を支援する取り組みが、運動団体の地道な努力やこれに呼応する行政の理解によって積み重ねられてきました。また、自立支援法成立以降も、大阪市では独自に、巡回相談員を設置して野宿生活者のニーズにきめ細かく応じる体制がつくられてきています。就労支援については、シェルターにおける就労事業の取り組み、自立支援センターにおける再野宿防止に向けたアフターフォロー事業の展開など、継続的な就労の獲得に向けた取り組みが続けられています。また、居住支援についても、簡易宿所を活用して総合的な生活支援を行うなど、より安定した居住の確保に向けた取り組みが進められており、こうした支援の輪は確実に拡大しつつあります。
 このような官民が一体となった努力のなかで、とりわけ自立支援法が見直しの時期にさしかかった今日、克服すべき課題も次第に明らかになってきました。たとえば、既存の就労・居住支援をさら拡大させていくと同時に、「就労か福祉か」という二者択一的であった従来の自立支援施策の見直しが始まっています。「半就労・半福祉」という可能性が追求され、年金受給資格を発掘するなど、脱野宿後の選択肢は急速に拡がりを見せてきました。また、この間の試行錯誤は、野宿生活者に対する自立支援が、まず当事者を社会的な存在として認知し、包摂すること抜きになしえないことを明らかにしてきました。つまり、就労や居住、医療といった支援を拡大することに加えて、支援に携わる者と当事者とが人としてのつながりや信頼関係を保ち、そのようなつながりを拡大させていくことこそ、自立支援体制の要であることが、これまでの対策の展開からようやく見えてきたのです。
 以上の現状を踏まえれば、これから自立支援事業をさらに充実すべく現場においてさまざまな努力が行われようとしているまさにこの時期に、きわめて強権的な手法である強制撤去に踏み切るという大阪市当該部局の対応は、理解に苦しみます。また、野宿生活者の生活を一方的に破壊する政策は、さまざまな分野で試行錯誤を繰り返しながら懸命に行われてきた自立支援のあり方、そしてそのなかでつくられてきた当事者と支援に携わる官民さまざまな人々との信頼関係をも破壊するものではないかと危惧されます。それのみならず、一般市民と当事者との関係性を損ねることにもなりかねません。これまでの官民の努力により、ようやく今後求められる自立支援の方向性が見えつつある現在、たゆまぬ努力により、信頼関係を築くことこそが求められています。いま路上や公園で起居している野宿生活者への対策として必要なのは、彼ら/彼女らへの見守りや話し合いでありましょう。この点については、公側の大阪市の関連部局や関係組織の現場においても、暗黙にあるとしても了解事項になりつつあります。さらに、長居公園で起居する野宿生活者は、さまざまな活動を通じて地域の人々とのつながりを築いており、そこからお互いを理解しあう可能性も芽吹きつつあります。今後も、見守り・話し合いのなかで信頼関係を築きつつ、よりよい対策に向けての積極的な努力を継続していくべきです。
 他方、都市政策というより広い視点からこの問題を考えた場合、都市社会の包容力に目配せする必要があります。それは昨今、話題になっている格差社会の問題にどう対応するのかということと通底していると考えられます。野宿生活者を指してよく使われる「ホームレス」という言葉は、そもそもは目に見える野宿生活者だけを指すものではなく、総体として不安定な居住状態にある人々を指し示す概念です。ホームレスの問題の解決に向けて求められているのは、野宿生活者を都市空間から見えなくする試みではなく、野宿生活者を含め、不安定な居住状態にある人々の居住の安定を確保する試みなのではないでしょうか。また、居住と労働とは相互に関連するものでありますから、それはいかに労働を安定させるのか、という課題にもつながります。不安定な生活や労働に対する支援・セイフティネットが形づくられない限り、問題が解決することはありません。そうした課題が未解決であるということは、野宿生活へと追いやられる危険性をもった人々がつねに存在し続けるということを意味するからです。いま現在、野宿生活を営んでいる人々に対する支援策の模索は、目に見えないかたちで不安定な生活・労働を強いられている人々を幅広く支え、包容していく都市社会を構築するための第一歩でもあるのです。
 大阪市の経済・文化をプロモーションしている人々が目指している「国際集客都市」とは、単に経済力や都市景観の美しさといった指標のみで測定されるものではありません。それは、都市に住まうすべての人々がいかに安定して豊かな生活を維持しうるのか、という都市の持続可能性という視点からも測定されるものです。市民の生活を支える大阪市の関連部局は、そのことを大阪市政の誇るべき伝統として意識されているはずです。大阪市政を振り返れば、全国に先駆けて革新的な社会事業を展開した関一の都市政策は、まさにこの観点にたったものでありました。大阪市政は、この伝統に則り、そしてグローバル化のなかで変わり行く現代的状況に対応しつつ、野宿生活者に対する、より包摂的で斬新な社会事業を再度生み出してゆく責務があります。
 以上の観点から、わたしたち研究者は、今回長居公園のテント・小屋に対して執り行われようとしている行政代執行に関しては、これに反対いたします。

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