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June 14, 2006

少しお堅いニュースサイトちっくに(労働法制見直し始動)

玉蹴りに浮かれたり落胆している間に、この辺の事態がだいぶ動き始めてる。

この辺しっかりフォローしておかないといかんなぁ>not研究、but生活

労働契約法波乱含み 雇用ルール法で明確化(4月6日)

「労働契約法」で厚労省がたたき台 労使双方から反発(4月11日)

残業代、引き上げへ 月30時間超のみ、少子化が後押し(6月11日)

労働法制見直し始動 一定年収で残業代なくす制度も提案(6月13日)

出所はここだね。

厚生労働省:第58回労働政策審議会労働条件分科会の開催について

委員名簿はこんな感じ
なかなか錚々たるお歴々。

とかく判例に頼りがちで訴訟の多いこの辺の労働法制を、雇用の流動化も一巡したこのあたりでわかりやすく整備しておこうという意味では、労使ともに異議なし。
少子化対策のための時間外労働の削減、という政府の大義もあり、総裁選も絡みつつ早い動きを示す可能性もあり。

ただし、読みすすめてくと、結構とんでもないことも書いてある。

裁判にもつれた場合も金銭補償をつけての解雇を可能にする仕組みの検討など、フランス人が聞いたら沸騰しそうな内容もあるが、日本の文脈で一番問題含みなのは、「自律的労働」の項目だろう。

一定以上の時間数に対し、賃金の残業割増率を引き上げて時間外労働を減らそうというのがこの見直し論議の中心点なんだが、その使用者側への「見返り」として議論されているのが、一定以上の年収の人を労働時間規制からはずして残業代の適用対象外にする「自律的労働」制度の創設、とのくだりだ。

アメリカのホワイトカラー・エグゼンプションを倣ったものであるが、日本の文脈でこれをやると端的に言って、「サービス残業へのお墨付き」としか聞こえない。気のせいかですか、そうですか。

経団連側は、「自律的労働」の一定基準を年収400万とおいている。
つまり、家族がまともに暮らせそうな給料をもらってたら、それはもう「自己の裁量」で働けてる「自律的労働者」様なのか。「時間管理を受けず、より一層の能力発揮」を望んでいるのか。ふーん、大したもんだ。

もう少し突っ込むと、いろんな論点が一気に湧き上がりそうだから、この辺で。
この話は、今後ブログに書くかどうかはわからないけど、自分なりにフォローしてゆく予定。

それにしても、またぞろ「自律」かよ、「裁量」かよ。
未来を選べ」、か。久しぶりに、人生もキャリアも選ぶ余地なんてなかったのに、無理やり「未来」を選んだスコットランドのガキの話でも見直すか。そろそろ腹くくんなきゃなんないしな。

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Comments

やばい話だと思っていましたが、先に書かれてしまいましたね。

こういう「ホワイトカラー全部自主裁量化」あたりが、宮内(オ)のいや~な動きの結末でしょうか。年収300万で暮らせる方法が考えつかれた暁には、年収400万以上はブルジョワ扱いってのは、やばい話ですね。

誰か政治的な反対勢力はいないのかしら?

Posted by: Snobist | June 14, 2006 at 09:27 PM

年収400万円以上の人は残業代払わなくて良い政策を実行したとして、その政権を立てた与党は次の選挙でどれだけ負けるのでしょうかね。普通に考えると血の雨が降りそうですが、最近の日本は普通じゃないですからねえ。

額面で1000万円以上とかならともかく、400万は無いでしょうよ。

Posted by: かとう | June 14, 2006 at 09:47 PM

いや、しかしまあ、何と言うか、もの凄く根本的なことを言わせていただきますと、この状態で自民党政治が何十年も続いているこの国って・・・。

同世代でも「俺は選挙は自発的に棄権する」とか言ってる人が結構居るし。
年収400万円以上が自律的労働って、言ってることが闇金と一緒だよね。「10日で5割って知ってて借りたんだろ?てめぇ~はよ!」みたいな。
そんなこと言われておいて「選挙を自発的に棄権する」ことが出来るほど、俺は度胸がないんだよねぇ・・・

ま、一番上に居る人が靖国参拝して中国共産党やノムヒョンを小躍りさせてるような人間だからしょうがないのか?

それともここでもう一度踏ん張りなおして「未来を選べ」・・・って選べる未来がすでに麻薬の種類くらいしかないじゃん!

・・・じゃ、俺は酒を選ぶか・・・

Posted by: Shingo-Ringo | June 15, 2006 at 11:27 AM

本来の自民党政治は、ホワイトカラー・エグゼンプション400万円コースなど通せない、通さないものではないでしょうか。消費税率上げでさえビクビクもので、かつて売上税で政権が倒れた国ですから。オリックス宮内の跳梁跋扈は政策知識ゼロで経済政策を竹中に丸投げしていた小泉政権ならではの現象のような気がします。その小泉政権下での国会はまもなく閉会。次が福田になるにせよ安倍になるにせよ、宮内と竹中がこれまで通り我が世の春を謳歌出来るとは思えません。

Posted by: かとう | June 15, 2006 at 12:44 PM

>みなさま

やっぱりこの問題関心高いですね。

宮内(オ)を中核とした人脈が、いろんな審議会を独占し、また主要企業の社外取締役を相互にやってタイトなインナーサークルを形成するという形が始まったのは、小渕政権の頃ですか。もちろん本格化したのは小泉政権ですけど。
http://www.yorozubp.com/0003/000306.htm

今回の労働法制の文化会にも、元デスのおばちゃん、ザ・アールの奥谷禮子(郵政会社の社外取締役でもあります)が参加してますね。村上とも宮内(オ)とも近い人です。

こういう形で、政策決定に一部の財界人や学者ががっちりと噛んでいくというのは、これまた中曽根政権以来の話でしょう。中曽根政権の「民活路線」も、当時アメリカ型のブレーン政治とかいわれてましたっけね。言うまでもなく、ここでいう「民」=財界ですが。
このアメリカ型の政策決定というのも、それこそ政権交代への緊張感があり、負けたら総とっかえ、というところで初めて機能するものなのですがね。

しかし、繰り返し指摘してきたように、民主党も「改革競争」ですからね、うちの場合。小沢さんになってどうなるか、ですが。

で、問題の選挙ですが、これまたかとうさんおっしゃる「血の雨」が降る見込みは、残念ながら少ないでしょうね。
去年の総選挙の頃のエントリーで散々論じたことですが、1)年収100~200万円台の不安定雇用層は、正社員=既得権としか考えてない 2)500~600万ぐらいの層は、自己投資だのキャリアアップだのがお好きで、裁量労働大好き という現状ですからね。

それ以前に、この労働法制の問題が議論の焦点になることさえないでしょうが。

「寒い時代だとは思わんか」、というやつです。

ええ、せめて酒とドラッグの種類ぐらい選ばせてもらいましょうよねぇ、shingoさん。(え?)

Posted by: yas-igarashi | June 15, 2006 at 06:28 PM

2)の方は、果たしてどうかな、という気がします。きちんとした社会調査のソースがあればともかくとして、私の大学の同期がだいたいそれくらいの年収にかかる時期なのですが、だいたい過重な残業にうんざりしてぶうぶう言っている印象があります。我が家も含めて。うちなんかは給料が多少減っても良いからきちんとした仕事をしたい(やっつけ仕事はしたくない)という口ですね。

Posted by: かとう | June 15, 2006 at 09:40 PM

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