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June 15, 2006

気持ち悪いほど無風。

だと思いませんか>グループリーグ一巡したワールドカップ。

ここまで、スコア差はともかく、意外と思われる結果は、スウェーデンvsトリニダードのドローだけ。
あとは、強国がらみの試合は特に、ことごとく鉄板の結果に落ち着いてます。

前回と比べてみるとその差は一目瞭然。
まず開幕戦から、ディフェンディング・チャンピオンのフランスが足元をすくわれ、一巡するまでにポルトガルもアメリカに打ち負けてます。
その後、フランスとアルゼンチンという当時の絶対の本命・対抗が決勝トーナメントに進めず、ベスト8に残った中には、韓国・アメリカ・セネガル・トルコなんて面々がいたことはご存知の通り。

ここ10年ぐらいの勢力地図で、サッカー大国10傑というと、まずは南米の2強。それとWC優勝経験国のドイツ、イタリア、フランス、イングランド。それに充実した国内リーグを持つスペイン、オランダ。あとはバロンドール経験者と数人の傑出したスターを擁するチェコ、ポルトガルあたりを加えて、まあ文句の出ないところだと思います。
(もちろんFIFAランキングとは何の関係もありません)

この10カ国どうしの対戦カードが実現したのは、前回WCでは実に、グループリーグでのアル-英、準々決勝でのブラ-英、それに決勝でのブラ-独のたった3カードだけだったんです。
こんな風に考えると、前回の大会の荒れっぷりがあらためてよくわかります。(開催国の盛り上がりを除けば、結果として「地味な大会」になった中で、イングランドがあれだけの注目を集めたのは、「夢のカード」に2回絡んで敗退したということも理由の一つでしょう)

そもそも今回は、地区予選からして無風です。
上記10傑はすべてドイツ大会にコマを進めていますが、02年はチェコ蘭が日韓にこれませんでした。98年も、それぞれの黄金世代が充実していたにもかかわらず、チェコ・ポルが来れていません。


今回のこの不自然なまでの無風ぶりには、なにか要因があるのでしょうか?

日韓大会の時の日記を見ると、こんなことを書いています。

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既に功なり名を遂げた名選手ばかりで構成されているので売り込みの必要がなく、いかなる意味でも「国」のために戦うという言辞が方便にさえならず、かつトップ選手の競演たる欧州CLで「俺たちのチーム」が活躍する可能性のあるチームを有する国民の代表チーム...
 具体的には、スペイン、イタリア、イングランド、ドイツ、フランスの5大リーグを抱える代表チームだが(イングランドと、恐らくドイツも当面大丈夫だろうが)、こうした「ヨーロッパの大国」では、ワールドカップに臨むモチベーションが、選手レベルでも「国民」レベルでも、著しく変容してゆくのではないか。その萌芽が今回のフランスに見られたような気がしてならない。
 ある意味、ヨーロッパの大国がこぞってスペイン化するというか。そのスペインが今回絶好調なのは、皮肉だが。

 そうなった時に、ワールドカップは、ヨーロッパの小国と、アフリカ・南米の新興国と、アジアの大会になっているだろう。イタリアやフランスやスペインは、B代表を送り込んでくるかもしれない。特に、ヨーロッパ以外の開催の時にはその傾向が強まるだろうから、もしかしたら、W杯は毎回ヨーロッパ開催ということで収まるのかもしれない。
 チケット問題に象徴されるFIFAの胡散臭さと機能不全は、このW杯という形式の終焉に手を貸しこそすれ、それを押しとどめる力とはならないだろう。
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確かに、今回はヨーロッパでの大会なので大国のモチベーションが高い、というのはあるかもしれません。

しかし、そればかりとも思われない。

思えば、2002年に始まったメジャー大会でのジャイアントキリングの連発という事態が、もっとも劇的な形で起こったのは、2004年のポルトガルでした。
アウトサイダーとしてこの大会に登場したギリシャは、開幕戦でホスト国を破ったのを皮切りに、フランス、チェコを破る快進撃、華やかなスターの饗宴を期待していた向きからの、堅守速攻一本やりでつまらないとの怨嗟の声をものともせずに、決勝でも再度ポルトガルを破って優勝します。

ちなみにこの年は、クラブレベルでも信じられないようなジャイアントキリングが続発します。
ヨーロッパCLの決勝は、ユナイテッドを蹴散らしたポルトと、チェルシーとレアルを粉砕したモナコとで戦われました。あまり知られていないですが、大西洋の向こうでは、オンセ・カルダスというコロンビアの無名のチームが、サンパウロFCやボカ・ジュニオルスという名だたる強豪に競り勝って、南米クラブ王座に輝いています。

サッカーというゲームは、番狂わせが起こりやすいスポーツです。ボールゲームで戦力差を反映するのは、「相手陣内に攻め込む回数」であって、結果としての「得点」ではありません。そのため、何度攻め込んでも、ちょっとした2トップの呼吸の乱れや、GKのスーパーセーブでゴールネットを揺らせなくなってしまうサッカー、「1点」が限りなく重いサッカーは、戦力の弱いチームが夢を持てる貧者のスポーツなのです。だからこそ、「ロジカルの勝負が決まらない」サッカーを、アメリカ人は見ていられないのだ、と言われています。(対照的なのが得点数の多いバスケットボールです。)

それにしても、02年に始まり、04年に頂点を極める荒れっぷりは、偶然と言うには、あまりに重なりすぎている感がある。

その流れが今回、とりあえずこれまでのところ、ぱったりと消えているように見えます。
(そういえば、今年は欧州CLも、概ね周囲の期待どおりに、実力を伴ったビッグクラブが勝ち進んで行ってましたね)

この差は何なのでしょう?
落ちのない話なのですが、よくわかりません。

コンディショニング調整術の進歩か?
はたまた、巷間言われているように、戦術重視が行くとこまで行き着き、「天才の時代」が再び戻ってきたのか?

はきとしたことは現時点ではわかりませんが、このポイントに注目しながら、今年のWCは見てみることにします。

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Comments

W杯の日本戦以外の試合、特に強豪と言われるチームの試合をちょっと観ているうちに、今回の無風状態の原因がちょっと分かりかけてきてます。

もちろん、素人考えなので、推論の域を出ない、と言うかあてずっぽう、暴論になってしまっている可能性は否めませんが。

コメントで残すとスゲ~長くなっちゃうと思いますので、何かの折にでもまた。

Posted by: Shingo-Ringo | June 17, 2006 at 09:38 PM

ホントですか?
僕はまだちょっとつかめていません。
でもそこに着目するこそが確実に、今回のWCを楽しむコツになる気がする・・・

「放浪記」ブログででも、ご披露くだせぇ~

ps今日は、「元祖世界放浪」Hさんたちとの飲みで仲町通りでした。今は雨宿りがてら、ケルト隣のネットカフェからの更新です。

Posted by: yas-igarashi | June 17, 2006 at 10:51 PM

でた!元祖世界放浪男!

あの人の話、マジですごいよね。

あと、W杯無風状態の自分なりの所見を自分のブログに書いてみました。

異論、反論、オブジェクション!大歓迎ですのでコメントのひとつでも残してやってください!

Posted by: Shingo-Ringo | June 19, 2006 at 05:44 PM

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